電磁波シールド樹脂めっき
電磁波シールド樹脂めっきは、プラスチックの表面に均一な金属膜を形成することで、プラスチックの物性を活かしながら。金属材料に近い電磁波シールド効果を得ることができるめっき処理です。
もし強力な電磁波がパソコンやスマートフォン、テレビなどの民生機器や、電車や自動車、通信網などのインフラ機器に飛び込むと誤動作を起こしたり、全く動かなくなってしまったりします。こうした電磁波の干渉を防止する目的で用いられるのが、電磁波シールドめっきです。
電磁波シールドめっきは電気を流さないプラスチック材料(樹脂材料)に使用されることが多く、高い技術が求められます。
処理フロー(一例)
表面調整
界面活性剤+硫酸溶液を用いて樹脂表面のエアーポケット除去や濡れ性を与え、均一にエッチングを施す。
エッチング
無水クロム酸+硫酸混合溶液を用いて樹脂表面を化学的に溶解させ、微細な凹凸を形成し、製品とめっきの密着性を向上させる。
中和
エッチング工程から持ち出されたクロムを中和、除去し、次工程以降のクロム混入を防止する。
コンディショナー
樹脂表面を変質させて次工程の触媒の吸着性を上げ、めっき密着性、めっき析出速度を向上させる。難めっき材料で使用。
触媒付与
樹脂表面に「パラジウム・スズ」コロイドを吸着させる。
アクセラレーター
吸着した「パラジウム・スズ」コロイドのスズを除去し、パラジウムイオンを金属化させることで化学めっきの触媒とする。
銅めっき
パラジウムを触媒に、めっきが析出する。
その後は自己触媒にてめっきは成長し続ける。ここで銅の高いシールド性能を与える。
触媒付与
銅めっき上にニッケルめっきを析出させるための触媒工程。
機構は、銅めっきを溶かしながらパラジウムが吸着する。
ニッケルめっき
銅めっき同様にパラジウムを触媒に、めっきが析出する。
その後は自己触媒にてめっきは成長。ニッケルの耐摩耗性・耐食性を与える。
対応規格等 |
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RoHS指令など環境規格 |
処理実施工場 |
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横浜工場 |
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ニッケルは錆びにくい性質を持つ金属であり、色調や強度、強磁性などは鉄に似ていますが、鉄のように錆びることは比較的なく、高い耐食性を持っています。数あるめっきの中でも硬度が高い皮膜を形成することが可能です。
YCコート(メタスYC)
YCコート(メタスYC)は亜鉛・アルミの金属フレークとクロムフリーの特殊バインダーで構成される、焼付け型防錆コーティング処理です。亜鉛とアルミのフレークが重なり、有機金属バインダーによって強固に結着します。
アマルファによるエッチング処理
アマルファは、化学的エッチングにて金属の表面に微細で複雑な凸凹形状を形成する硫酸過酸化水素系のマイクロエッチング剤であり、エッチング後の凸凹部分に溶かした樹脂を流し込み接合することで、より樹脂と金属を強固に接合することができます。